この記事では、家庭での自宅学習にて「子どもたちにちゃんと勉強をしてもらいたい」という方々のために、文部科学省や国立教育政策研究所などが開示している統計データなどを参考に、我が子への体験談も交えつつ家庭学習への対策方法をまとめています。
コロナで学校は長期の休校中。小学生や中学生の子どもを持つ親にとって、家庭で勉強をさせるということがどれほど難しいことか…。私自身もサボり癖のある我が子に相当苦労した一人です。
学校に通えない今「自宅学習がとても大事」と、わかってはいるものの、なかなか思うように勉強をしてくれない!そんなお悩みを抱える親御さん達のために、この記事が少しでも役に立てばと思います。
「子どもが勉強しない」理由と原因とは
「勉強をしなさい!」とイライラする前に、まずは「やらない理由がなんであるか?」を考えてみることが大切です。
原因がわかれば対策ができますので、無鉄砲に怒るよりもはるかに効果的ですよね。
対策を考える上で気になるポイントは、現状把握のために知っておきたい「そもそも自宅学習の平均時間はどれくらいなのか?」と、「勉強をしない理由が一体何なのか?」の2つです。まずは、この2つについてまとめました。
自宅学習の平均時間は約50%が1時間以下
過去、内閣教育再生会議が調査・開示している資料「子どもをめぐる状況(PDF)」によると、学習塾を除く家庭での平均勉強時間は、小学生・中学生ともに30分以下の割合が半数以上を占めています。さらに、学習時間が1時間以下の割合は中3を除いて全体の約8割を占めていることがわかります。
また、別の情報サイトでここ数年のデータをみると、約40~50%の小中学生が1時間以下の学習時間となってるデータ結果もありました。これらを総合して考えると、普段から1時間以上の自宅学習をしている子どものは半数以下のようです。
また、小学生よりも中学生のほうが自宅学習の時間は短いという結果になっています。部活などの影響があるとしても、親の立場としてはちょっと心配になりますね。
(※学習時間については、この他にもベネッセ教育総合研究所などが詳しい調査を行っています。興味がある方はどうぞ→ベネッセ教育総合研究所「第5回学習基本調査」)
勉強しない理由と原因は大きくわけて4つ
子どもたちが勉強をしない理由や原因については、文部科学省をはじめとした国家機関や、企業の研究機関などがたくさんの統計データをまとめています。
これらの資料も踏まえつつ調査した結果、特に大きな要因は下記の4つになります。
①そもそも勉強が嫌いで、やる気が起きない
勉強が嫌いな子は、やる気が起きくて当然です。そもそも学ぶことに興味がわかなければ、それに向かう意欲が湧くはずがありません。
だからといって、嫌いなものを好きになるように無理やり嗜好転換させるのは、時間と労力もかかりますし、確実な解決方法とも言えません。
この問題を上手く解決するためには、「やる気を起こすためのアプローチ」から考える必要があります。
※ここが特に気になるという方は、記事後半の「勉強が嫌いで、やる気が起きない子どもへの対策」を先にご覧下さい。
②集中できない
集中できない悩みは、子どもだけでなく大人からもよく聞く悩みです。この問題は、単に個人の集中力の優劣だけではなく、周囲の環境にこそ問題の本質があるケースが多いです。
この問題は「集中できない原因となっている事柄が何なのか?」を突き詰めるほうが、解決に繋がりやすくなります。
※ここが特に気になるという方は、記事後半の「集中できない子どもへの対策」を先にご覧下さい。
③上手なやり方がわからず、計画通りに進まない
いざ家庭学習を始めてみても、計画通りに進まなければ徐々にやる気もなくなってしまいます。せっかくやる気を出して勉強を始めたならば、それをなるべく持続させていきたいところです。…が、最初から計画通りに上手くいくことのほうが稀です。
ただこの問題は、ちょっとしたコツや具体的な対応策、つまり「計画通りに学習を進められる上手なやり方」を知って実践することで簡単に解決できます。
④成績が上がらない
こちらはだいぶ直球な内容です(汗)。当然、思うように結果がでないとなればやる気なんて上がらないでしょうね…。しかし、逆を言えば「成績が上がれば勉強のやる気も上がりやすい」ということです。
ここは切り替えて、「どうすれば成績が上がるのか?」という観点から、解決策を見つけていきましょう。
※ここが特に気になるという方は、記事後半の「成績を上げるための対策とコツ」を先にご覧下さい。
理由と原因のまとめ
子どもが勉強をしない大きな要因は4つ。
- ①勉強がきらいで、やる気がおきない
- ②集中できない
- ③計画的に進まない
- ④成績が上がらない
上記のリストの中で当てはまる項目ごとに適切な対応を行うことが解決の近道です。次項からは、①~④それぞれの問題における対策方法を紹介していきます。
勉強が嫌いで、やる気が起きない子どもへの対策
対策方法として一番早く効果的なのが、「無理に好きになってもらう」ことより先に「やる気を引き出す」ことを優先する方法です。もちろん、勉強を好きになってもらうことが1番良いですが、先に述べた通り個人の嗜好を変えることは簡単ではありませんから、時間がかかりすぎて非効率的です。
なるべく早期に自宅学習を進めてもらうためにも、まずは「子どものやる気をどうやって引き出すか?」から始めていきましょう。学ぶことへの意欲(=学習意欲)が湧いてくれば、知識を高めることの楽しさを覚えたり、勉強を好きになるチャンスも自然と増えていきますのでオススメです。
モチベーション理論(動機づけ)でやる気を引き出す
やる気、いわゆるモチベーションを高めるための方法がわかれば、少しずつ子どもの学習意欲も引き出せます。まずはここから学んでいきましょう。
私自身、前職で管理職側の立場だった時に色々と学ばせていただきましたが、これはビジネス以外でも教育や子育てにも充分応用が効く方法論です。
モチベーション理論とは?
まず最初に、普段よく使われるモチベーションとは、意欲・やる気・行動欲求のことを指す心理学用語で、日本語では動機づけとも呼ばれます。この心理的作用を理論化したものがモチベーション理論です。
動機づけには、ご褒美や罰を与えるといった「外発的動機づけ」と、認められたい&褒められたいなどの気持ちが作用する「内発的動機づけ」の2種類があります。これらを上手くコントロールすることで行動意欲を高めることができるようになります。
外発的動機づけのメリットを上手に利用する
外発的動機づけの最大のメリットは、因果関係がわかりやすく実践しやすい点にあります。
例えば「宿題をしたらご褒美を上げる」という親の行動は、子どもに対して「ご褒美がもらえるから宿題をやる」という行動を引き起こします。この行動サイクルが外発的動機づけです。
しかし、使い方を一歩間違うと信頼関係に悪影響が出たり、本来の目的を見失うこと(ご褒美をもらうためだけに宿題をやるようになる、など)になってしまうこともあります。とくにご褒美などの報酬や罰などの規模が大きくなると、悪い影響を引き起こしやすくなります。かくいう私も同じ失敗を繰り返してきました(泣)。
こういったデメリットを引き起こさないためのコツは、外発的動機づけは継続的に多用せず、あくまできっかけ作りにのみ利用することです。さらにハードルを下げてより実践しやすい環境を整えて上げることで効果が増します。
使い方の例としては…
- 30分勉強することができたら、1時間ゲームを許可する
- 今日やる学習課題を決めて、やり終えたら好きなことをさせる
- 宿題や課題をしなければ、ゲームやマンガを禁止する
です。できる限りハードルを下げてサラッとできる程度にルールを決めてみましょう。
くれぐれも継続的にルールを作らず、あくまで最初の入り口として利用する程度に留めることがポイントです。
まずは、自宅学習を始めてもらうきっかけをここで作り、次に次項で紹介する内発的動機づけをセットで利用しながら持続力を高めていきましょう。
内発的動機づけで自発的なやる気をアップさせる
より上達したい、できるようになりたいと自発的に考えるようになることが内発的動機づけです。外発的動機づけに比べて、本人も親もコントロールしにくいのが難点です。
主に自分から自主性を高められることが最大のメリットであり、それを動かす原動力となる要素に承認欲求や自己実現欲求があります。
これらを簡単に解説すると、承認欲求は、褒められたい、先生に認めてほしいといった感情のこと。自己実現欲求とは、将来こうなりたい!自分ならできるはず!と思う一種の願望をエネルギーに変える力のことです。これらを自発的に生み出せるようになれば継続的に自主性を持てるようになります。
つまり、外発的動機づけが自宅学習を行うためのきっかけづくりなら、内発的動機づけはそれを持続させるためのエネルギー源と言えるでしょう。
ここを上手く育てるコツは、最初からコントロールしようとせず、サポートに徹することが重要です。承認欲求や自己実現欲求は個人差はあるものの潜在的に持っている感情なので、そこに気づかせてあげるように誘導してあげることで、効果が現れやすくなります。
サポートの例としては…
- その子どもが出来るレベルギリギリの難問を解いてもらい、解けたら目一杯褒めることで苦労を乗り越えた達成感を味わってもらう。
- 親が苦手な分野で、なおかつ子どもが得意な分野の問題を探し、その内容を子どもに教えてもらうことで優越感を味わってもらう。
- 学校で習ってきた内容を聞き、「もうそんなことができるようになったの?」と成長を家族で喜ぶ。
- 将来の夢や、目指す職業などについて、具体的な話を定期的にする。(宇宙飛行士になるなら、工業系の大学を目指してみたら?など。)
といった具合です。
我が子に試した時も一筋縄では行きませんでしたが、手を変え品を変え…根気よく続けることで徐々に成果が現れてきました。中でも一番効果があったのは「突然問題を出して答えさせ、解けたら褒める」という方法で、出題するうちに逆に問題をねだられるようになりました。クリアする喜びと、私の悔しがりながら褒める顔が嬉しかったようです(笑)。
効果の出る方法には個人差も関係してきますので、焦らず自分の子どもに合う方法を探してみて下さい。
集中できない子どもへの対策
集中ができない子どもにへの対策のポイントは2つです。
- 集中できない要因を探る
- 出てきた要因を無くす
至ってシンプルですが、集中できないことを子ども個人の責任にし続けるよりはるかに建設的で効果的です。
気が散るのは学習環境に問題があるから
ここでいう学習環境とは、主に家庭内で子どもが置かれている状況を指します。家庭環境の実情については、文部科学省を始め様々な研究機関がアンケート調査を行っています。
なかでも学習環境に問題がある例として、代表的な下記事例をご覧下さい。
勉強以外の誘惑が多い
友達からの遊びの誘い、買い物に行かないか?おやつを食べないか?など親からの誘い。せっかく本人が勉強をしようと思っいても、タイミングによってはそれらの誘惑が本人のやる気をそいでいるケースがあります。
これらの問題は、子ども達の心情面を察知することや、日頃の習慣づけを徹底することで解消しやすくなります。
いつでもゲームやインターネットができる状況が常にある
ゲームやマンガ、インターネットなど子どもを誘惑するコンテンツは昔と比べ物にならないくらいたくさんあります。ゲーム機やタブレットなどが勉強部屋にそのまま常設されている家庭は多いのでないでしょうか?
私の家では、子どもたちが部屋で勉強せず常にリビングのテーブルで勉強していたため、テレビ・ゲーム・マンガ・タブレットの誘惑コンテンツ四天王が常に邪魔をし続けていた状態でした(笑)。
この問題は物理的・心理的側面の2点を踏まえて解決方法を紹介していきたいと思います。
一人だけの時間が長い
子ども一人だけの時間が長いということは、子どもが自分で自主性を持たなければならない機会が増えることに繋がります。仮に宿題をやらずゲームを優先しても、監視する目がなければ叱る人もいません。ここが一番の悩みとなります。
親の仕事の都合、複雑な家庭の事情、理由は様々だと思います。それらの問題を解消することはできずとも、子ども本人が自制心を持てば、この問題は解決できます。この状況下で大事なことは「他人から言われずとも、やるべきことをする」という「自律心」をどう育てるか?について考えることです。
自主性を育てるチャンスですので、前向きな対策を考えていくことが大切です。
習い事などをいくつも掛け持ちしている
習い事を掛け持ちすること自体は問題ではありません。重要なのはその子どものキャパシティを超えていないかどうか?です。
前項でモチベーション理論において述べましたが、学ぶことにはエネルギーが必要です。ピアノや習字、スポーツなど多方面においてそれを発揮しようとすると、当然精神面でもかなりのエネルギーを消費していくことになります。
一つの物事に打ち込むのと、二つ三つの物事に打ち込むのでは、そこにかけるエネルギー量も変わってきますし、ストレスを溜め込みやすくもなります。
仮にピアノが何よりも一番好きだという子どもがいたら、家庭学習やその他の習い事への意欲はピアノレッスンよりも確実に劣っていることでしょう。さらに常にピアノのことが頭の片隅にあるため各方面へ費やされるエネルギーも少量で、他の習い事を行うことにストレスを感じているかもしれません。
こうなると習い事自体が増えれば増えるほどマイナス面しか生み出さなくなってしまいます。
集中できて学習しやすい環境を整える方法
子どもを取り巻く環境は月日が経つごとに変わっていきますので、解決方法を考えるポイントとしては「親が環境を整えて上げる」ではなく、「子どもが自ら学習しやすい環境を作っていけるようにアシストする」方向で考えることが解決の鍵です。
勉強する時間帯を決めて認知させ、習慣づける
周囲からの誘惑を絶つために、まずは勉強する時間帯を決めて固定してみましょう。例えば学校から帰るのが15時くらいとして「15~16時までの1時間は勉強時間」という具合です。
次に設定した時間を兄弟、親、家族ほか周囲に認知させます。さらに、子どもには自分の友達に宣伝してもらいます。「僕、15~16時までは勉強時間なんだ」と、誘われる度に繰り返し伝えてもらいます。
こうして行くことで「15~16時までの1時間は○○さんの勉強時間」ということが自他ともに認めるルール(ルーチンワーク)となっていき、これを毎日を繰り返すことで習慣化します。
ここで大切なのは本人だけでなく、周りに認知させるということです。周囲の人たちもそのルールを覚えるので、邪魔をされることが極端に少なくなります。
親の立場としては、習慣づくまでの間にうっかり話かけたり誘ったりしないようにするために、スマホのスケジュールやアラームで予定を入れておくと便利です。
勉強する部屋を決めて管理してもらう
自宅学習を行う部屋が一定でないという子どもは、どこで勉強するか場所を決めて固定しましょう。部屋の種類は、子ども部屋などがあれば一番良いですが、特定の部屋がなければリビング、キッチンのテーブルなどでも構いません。
部屋を決めたら、子どもにはそこを管理する管理者になってもらいます。次に、そこで勉強するのに必要な物と不必要な物のリストを作ってもらい、不必要な物を全て別室に移します(別室がなければ、収納などに保管します)。これで準備完了です。あとは、この部屋の管理を徹底させていきましょう。
下記は、この方法のポイントと大まかな流れです。
- ①勉強部屋には勉強する以外に必要なものがないので、物理的に誘惑コンテンツの接触を絶つ
- ②管理者になることで責任感を与え、簡単にルールが破れないようにする
- ③必要なものと不必要なものを分別することで、勉強をするのに必要な最低限のものを理解できる(場所が変わっても最適な環境を自力で再現できる)
- ④繰り返し使っているうちに「ここは勉強のための部屋」という認知が習慣づく
④のように習慣づけが上手くできると、部屋に入ったら「勉強をしなければならない」というスイッチが勝手に入るようになります。もし、それがリビングだったならば、その子にとってその場所はリビングではなく勉強部屋と認識されているのです。これが最大のポイントです。
例えば、玄関にまな板や包丁など料理に必要なものを持ち込んだとしても、調理のやる気は起きないでしょう。それは、その場所を玄関=靴を脱くための場所と認知しているから、です。勉強部屋の設定にも同じことが言えます。
また、ゲームやタブレットといった趣味をするための部屋も決めておくとなお良いです。自分の中でオンとオフを切り替えることもできるので、自制心のコントロールをする訓練にもなります。
一人でも時間を有意義に使える自制心を育てるコツ
子どもの自制心を育てるのは容易ではありません。しかし、前項「モチベーション理論」で紹介したとおり、心を育てていく方法はちゃんとあります。
自制心そのものは、その子が自身で磨いていかなければなりませんが、そのサポートは親でも可能です。さらにその中でも重要なことが下記の3つです。
①その日にやったことを聞いて、内容を一緒に整理してあげる。→これをすることで「一人で出来ること」と「一人できないこと」をそれぞれ理解させることができます。
②「一人できないかったこと」への解決方法を一緒に探す。→現状では一人でできない事なわけですから、一緒に考えつつ知恵を貸すことで、自力での解決をサポートします。できるだけ具体的な案を出してあげましょう。
③できないことができるようになったら褒める。→承認欲求を上手く刺激できるように、しっかりと褒めることが大切です。
すぐには結果が見えづらいので根気がいる方法ですが、諦めず取り組んでみて下さい。
子どものタイムスケジュールを一緒に作って見直す
無理なタイムスケジュールは子どものやる気をドンドン削いでいきます。そうならないためにも、一日の行動予定を見直すことはとても大切です。図に書き起こすと頭で考えるよりも視覚化することで、よりわかりやすく見直すことができます。
上記のような表を作り、無理が無いかどうか再度見直してみて下さい。上手に進めるコツとしては、遊びや好きなことができる自由時間を確保することです。
大切なのは子どものメンタル面なので、くれぐれも親の意向ばかりを優先せず、しっかりと子どもの意見を効くことがポイントです。
計画通りに学習を進められる上手なやり方
この章では、私が前職で管理職として長年社員教育を繰り返してきた経験を元に「計画通りに学習を進められる方法」をお話します。
計画倒れしないためのコツ
勉強も仕事も同じで、計画倒れせずに進めるコツは次の4つです。
- 無理の無い期間設定をすること
- 最初の期間設定は短く。徐々に長く期間設定すること。
- 進捗状況を可視化して簡単に把握できる手段を作る
- 計画に最終的な目標=KGIと中間目標=KPIをそれぞれ組み込むこと
これで確実性のある計画表が出来上がり、途中で挫折しにくくなります。
ちなみにKGIはゴール、いわゆる最終目標のことで、KPIはその最終目標を達成するために絶対乗り越えなければならない中間目標のことです。例えば、数学のテストで100点を取ることがKGI(ゴール)ならば、KPI(中間目標)は出題される公式を完璧に覚えることや、解法パターンの暗記などになります。
最初は期間設定を短く、目標ハードルを低く設定する
期間設定が長すぎたり、無謀な目標を立てると、途中でマンネリ化したり、計画を進める事自体が目標になってしまって本来の目標を見失ったりするので、良いことがありません。なれないうちは3日間で完結できるくらいの短い期間設定を設けて、ハードルも下げた達成しやすい目標にしましょう。
なぜなら、計画を立てることはスタートラインに立つことであり、大切なのは確実にそのプロセスを進めてKGI(最終目標)にたどり着くことだからです。
短い期間で繰り返しこれを行うことで、このプロセスをしっかり身に着けさせていきましょう。計画性がアップするだけでなく、自己管理能力も身につけるチャンスです。
成績を上げるための対策とコツ
勉強をしない理由の一つに「成績が上がらないから」があることを先に述べました。より効果のある対策を考えるために、まずは「なぜ成績が上がらないのか?」にシフトして、その理由を考えてみましょう。
なぜ子どもの成績が上がらないのか?
まず、家庭で勉強しなければ成績は上がらない…ということはありません。家で勉強しなくとも、学校で必要なことは習っていますので100%とは言わないまでも、授業内容だけで十分満足な点数は取れます。ではなぜ成績が上がらないのでしょうか。
成績が上がらない本当の原因は理解力と応用力の不足
自宅学習をしないから成績が上がらない、と考えるのは間違いです。先に述べたように自宅学習をせずとも学校での授業だけで好成績を取る子どもは山ほどいます。
成績が上がらない本当の理由は、習ったことを身につけることができていないこと、つまり”理解力”や”応用力”が不足しているということです。先程述べた通り授業の理解度が100%ならば点数はある程度取れます。しかし、理解度が足りなければ点数はドンドン落ちていきます。
実際授業に参加していても、聞き逃したり、半分寝てたり(笑)、よくわからなかった部分なんかもあれば、それらは理解度からマイナスされていきます。このマイナスされた部分を埋めることが”復習”であり、先生から渡される宿題の意義でもあります。
理解力を高めるために家庭学習を行う
理解力を高めるのはとても大切なことです。例えば、かけ算の理解度が低ければ、それ以降の計算問題では間違いがとても多くなり、桁の大きい数の計算や、少数や分数が出てきたらもはやチンプンカンプンになってしまいます。まさか他人の足の指まで使って計算というわけにはいかないですからね(笑)
国語や算数(数学)などの基礎項目はとくに理解度を高めたいところですが、コレばかりは本人の頭の中でしか高めることはできません。納得がいくまで何度も反復して練習問題などをこなしていく…。ここで初めて家庭学習の必要性が出てくるわけですね。
家庭学習で応用力を磨けば、さらに成績アップ
家庭学習では応用力を高めることも大切です。応用力は特に初見の文章問題などを解く時に不可欠になってきます。たとえば「10×4=」の計算を解くことは簡単にできるのに、「1個10円のお菓子が4個あるといくら?」という文章問題が解けないといった感じです。こういった応用はケースバイケースで考える力が必要になってきますので、授業中に出てくる問題だけでは対応できません。こちらもなるたけ多くの練習問題をこなし経験値を高めることが重要です。
必要最低限のことを教えてくれるのが学校の授業ならば、それにプラスして理解力や応用力などの考える力を高めるために家庭学習があると、私は考えています。こう考えると、家庭学習でなにをすべきなのかが明確に見えてきますね!
家庭での自宅学習で理解力や応用力を高めるおすすめの方法
ここでは、家庭学習で理解力や応用力を上げるために、私が実際に子どもに行っているおすすめの方法を書いて行きます。今注目の「ICT教育」についても、実際に試してみました。
無料の練習問題やテキストでお金をかけずに復習する
理解力を高めるには、やはり繰り返し復習を行うのが一番です。復習といえば塾を連想される方も多いですが、塾は結構なお金がかかりますよね(汗)私の家は子ども5人いますので、流石にポンポンと塾にやる余裕はありませんでした…。
そこで、自ら自作の問題プリントを作って見たのですが、作成の手間やらなんやら考えると非効率的すぎて泣けてきまして…。その結果たどり着いたのが、無料で公開されている練習問題やテキストブックの活用です。
特に今はコロナで学校が休校中ということもあり、文部科学省や多くの企業がテキストなどを無償提供してくれていますので、お金をかけずに質の高い教材を手にすることができます!この機を逃す手はありません。
無料の自宅学習教材や家庭学習支援サービスまとめ
お金をかけずに予習・復習ができるように、文科省など多方面で紹介されている無料の学習支援サービスをリストにまとめました。興味がある方は各リンクからどうぞ。
- 文部科学省 学習支援コンテンツポータルサイト
- 教育出版 児童生徒用の学習支援コンテンツ
- 新興出版社啓林館 ちびむすドリル
- 啓林館 わくわく算数自己評価テスト
- 朝日新聞 たのシート
- Z会 教材無料提供
- 日本文教出版 教材&ドリル無料提供
※紹介しているサービスは主に小学生向けの一部ですが、中学生や高校生向けのサービスもたくさんあります。内容は不定期で追記する予定です。
学びたい授業が受けられる「オンライン授業サービス」を利用する
学校での授業はビデオに撮っているわけでもありませんので、聞き逃しても補足する術がありません。教科書にも必要最低限のことしか載っていませんので、それ以上の理解を埋める方法がないのです。
そんな方向けの解決方法が、もう一度同じ授業をネットで受ける方法、いわゆるオンライン授業の提供サービスです。このようなICT教育を家庭に取り入れている方も最近はかなり増えていますよね。
受講形態も動画視聴型やネット配信型のものなどありますが、最近ではアプリを使った定額見放題のサービス「スタディサプリ(スタサプ)」などが人気です。
もちろん塾などに通えば丁寧な復習もできるのでしょうが、何かとお金がかかりますし、コロナの影響で今は塾にも気軽に通えません。仮に、親御さんが教員のように丁寧な説明を常に行ってくれるのならば解決できそうですが、流石に一般的な解決方法とは言えません…。ですので、最近はこのオンライン授業サービスの需要が爆発的に増えているのです。
試しに「スタディサプリ(スタサプ)」を実際に使ってみた感想
ちなみに貧乏な我が家では、「安心の低料金、定額で使い放題。無料期間中に退会すれば費用ゼロ」のタイトルに釣られて、塾の代わりにスタディサプリを始めてみたのですが、半年たった今でも気に入って使っています。
まだ習っていない先の授業まで受けられるので、優越感を勝ち取りたい欲求が強い(笑)のか、長男は復習だけでなく予習を自発的にやるようになりました。教科によっては教える先生のクセがかなり強い人もいるので多少の好みの問題はあったみたいでしたが、結局追加のテキストを何冊も購入するほどハマっています。
親にとって一番の利点は「まなレポ」という子どもの学習状況を可視化した進捗レポート機能です。子ども達の学習状況も、これを使えば一目瞭然で把握することができますので、特に家庭学習メインの今の状況ならかなり使えます。
学校での授業が休止した今、勉強面での不安を取り除いてくれるツールであることは確かだな…と、使ってみて素直に納得&満足しています。
塾やオンライン授業を検討しているが、費用面が引っかかる…とお悩みの方は、まずはスタディサプリの無料期間を利用して試してみると良いかもしれません。
まとめ
今回は、子どもが家庭であまり勉強をしてくれない理由と原因を調査し、その対策方法をご紹介しました。
とくに、なかなか成績が上がらないことで悩んでいるお子さんには、ぜひ紹介した内容を色々試してみてほしいです!
家庭での自宅学習を成績向上につなげるためにもおすすめですので、ぜひ試してみて下さい。
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